ルンバが低価格路線に その理由とは

 ところが、ルンバが牽引(けんいん)する形で、29年に前年比8%増と3年連続で伸びていたロボット掃除機の市場は、今年上半期(1~6月)の販売が9%減(GfKジャパン調べ)と一転マイナスになるなど、振るわなかった。これに「危機感を抱いた」(家電大手)とみる向きが大きい。

5年以内に普及率10%へ

 これまでの「ルンバ」は、「ロボットが掃除する」という発想の面白さやモデルチェンジするごとに進化する期待を裏切らない開発体制が購入動機だったといえる。現在の最上位モデルは、カメラを利用して、家庭の自宅マップを作成していく新しいアルゴリズムを採用。これまでのランダム走行よりも効率化が図れる「優れもの」だ。だが、ロボット掃除機は、本格掃除機ではない。平日の忙しいときは「ルンバ」、休日はキャニスター型と使い分けるユーザーがほとんど。「あれば便利で欲しいけど、なくては困るメーン機ではない」(都内在住の主婦)というのがユーザーの本音のようだ。

 販売の伸びが鈍化し始めたが、今後、まったく角度の違う斬新な進化を見込むことが難しい。ならば、いまのうちに価格を下げて、一気に普及させてしまおうというのがアイロボットの戦略とみられる。

 まずはルンバの現在の世帯普及率4・5%を、5年以内に10%に引き上げたい考えで、この理由について挽野社長は「かつての洗濯機や冷蔵庫もそうだが、10%になれば、普及率が加速度的に上がるため」としている。5万円を切る価格に設定したのは、これまで価格の高さに躊躇(ちゅうちょ)していた層を掘り起こすためで、「共働き世帯」「高齢者」を中心に便利さを訴求していく考えだ。(経済本部 飯田耕司)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ