財務次官セクハラ疑惑 財政健全化目標、策定に影響 消費増税…軽減税率議論に波及も

 財務省は16日、福田淳一事務次官のセクハラ疑惑をめぐる報道内容を否定するコメントを発表した。学校法人「森友学園」問題で揺れる中、さらに事務方トップの醜聞が加わったことで財務省の信頼は地に落ちた。本来は、6月にまとめる新たな財政健全化目標の策定作業に専念する時期だが、一連の不祥事で政府内での財務省の発言力低下が続けば、税・財政運営にも影響が及ぶ可能性もある。

 不祥事の影響が最も懸念されるのが財政健全化計画の策定作業。政府は昨年、消費税率を10%に引き上げた際の税収の使い道を変更したことで、目標にしてきた平成32年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標を断念した。新たな健全化目標時期と達成に向けた歳出改革策は、政府が6月にまとめる「骨太方針」に盛り込むことに決まっている。

 その計画を牽引(けんいん)するはずだったのが財務省で、不祥事がなければ議論に専念できていた。財政健全化を大目標とする財務省としては与党の歳出膨張圧力が強まる中で、高齢化に伴う社会保障費の伸びを年5千億円以下に抑えた28~30年度と同じく、31年度以降もセーブする抑制役を担うはずだった。しかし、一連の不祥事で財務省の主張に疑義が生じかねない。与党からの歳出圧力を抑えられない可能性もあり、財政再建が二の次になる恐れがある。

 影響は消費税増税にも及びかねない。増税影響緩和に向けた対策を練る主導役が財務省だからだ。とりわけ消費税率10%時に導入し、食料品などの税率を低く抑える「軽減税率」について、制度導入で不足する財源を他の税目で確保するのか予算措置で手当てするのかの議論は深まっていない。このため与党内には軽減税率制度への影響を懸念する声もくすぶる。(今井裕治)

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