東芝交渉 「訴訟で恫喝」「それでも提携相手か」 足元見るWDに根強い不信

 極め付きは、WDが先週の交渉で、買収資金の一部にあたる2千億円を融資の形で出すよう東芝に求めたことだ。財務状況の厳しい中で巨額の貸し付けを要求してきたことに東芝側は猛反発。交渉を後押しした経産省もさすがに閉口した。

 WDにも事情はある。業績好調な協業相手の東芝メモリが他社に渡れば、WDの経営にも悪影響を及ぼすからだ。だが、訴訟で交渉が延び、後がなくなった東芝から有利な条件を勝ち取ろうとする姿勢は「それでも提携相手か」と東芝の拒否反応を招いた。

 こうした中、日米韓連合を主導するベインは、ネックであるWDとの係争が続いていても買収を完了できる起死回生の案で東芝を自陣営に傾かせた。

 官民ファンドの産業革新機構などは係争中の案件にはお金を出しにくいが、買収段階ではアップルなどが資金を肩代わり。係争解決後に機構などがお金を出す枠組みだ。競合するSKは融資の形で資金拠出するが、東芝は「議決権を取らないことがはっきりしている」と評価。各国独禁法の審査が通りやすくなると判断した。

 だが、WDは徹底抗戦する構えでリスクも大きい。(万福博之、井田通人)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ