急な変更にもノーと言わない 清水建設のインドネシア建設現場ルポ

 【経済インサイド】

 「ASEAN経済共同体(AEC)」が昨年末に発足し、経済圏が拡大する東南アジア。日本の建設業界も現地での事業展開を活発化させており、大手ゼネコンなどが日本の円借款を活用した道路や鉄道、オフィスビルなど建設を手がける。ただ可能性を秘めた巨大市場は、中国や韓国を含め各国がインフラ輸出でしのぎを削る国際競争の最前線でもある。清水建設がインドネシアで手がける建設現場を訪ね、勝ち残りを目指すゼネコンの戦略を探った。

 赤道にほど近いジャカルタ市内中心部。同国最大のメディアグループ「MNCグループ」のオフィスビル「MNCメディアタワー」の建設現場では、炎天下の中、来年の完成に向け作業が急ピッチで進んでいる。

 「建物の高さを約80メートル低くしてくれないか」

 施主のMNCグループから突然の要望が舞い込んだのは2014年3月のことだ。しかも大幅な設計変更にかかわらず、工期は延長しないという条件。「いったい、どうしたものか…」。施工を担当していた清水建設の赤木創工事長は困惑を隠せなかった。

 ただ、そこから清水建設の対応は早かった。原設計を担当した企業から設計変更の業務を引き継ぐと、施工を進めながらの再設計という離れ業を展開。設計と施工を一手に引き受けたことで、コンサルタントを挟むと1カ月半はかかる調整作業を3週間で済ませ、工事の遅れをとどめた。

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