【主張】コロナ対策 「蔓延防止」全国に適用を

 新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受け政府は14日、「緊急事態宣言」の対象に北海道、岡山、広島の3道県を加えるとともに、「蔓延(まんえん)防止等重点措置」を群馬、石川、熊本の3県に適用することを決定した。

 前日の関係閣僚会議で固まっていた岡山など5県を蔓延防止対象に加える方針を変更し、対策を強めたことは妥当である。ただし、菅義偉内閣のコロナ対応全般に「慎重で遅い」傾向があることは、改めて指摘しなければならない。

 大型連休明けから、緊急宣言や蔓延防止措置の期間延長、地域拡大が相次ぎ、対象地域は合わせて19都道府県になった。

 「第4波」はすでに全国的なうねりとなり、急激な感染拡大はどこでも起こり得る、と認識しなければならない。この状況で政府に求められるのは、慎重さではなく変化に相応する機動性である。

 都道府県知事からの要請を受けてから、政府が専門家の意見を踏まえて地域ごとに適用の可否を判断するという現行の手続きは、変異株が主流となった第4波の拡大速度に対処できていない。

 蔓延防止措置を全国に拡大することを提言する。

 要請や検討の手続きを省き、具体的な運用を知事に委ねることで、より早く、地域ごとに細やかな対応を可能にするのである。一律の対策を行う必要はない。

 現時点で感染拡大が深刻化していない地域にとっても、蔓延防止措置の対象になることには大きな意味がある。感染症の拡大を短期間で抑えるには、初期段階に強い対策を行う必要がある。

 緊急宣言や蔓延防止措置はこれまで、初期対応が遅れた地域が対象になっていたが、全国に蔓延防止を適用しておけば、感染拡大の兆候が見えた段階で機敏に手を打つことができる。

 政府は、主体的かつ機動的に全国のコロナ対策を支援、推進しなければならない。

 全国知事会などは、蔓延防止措置よりも強い「緊急事態宣言」の全国拡大を視野に入れるよう要望している。政府は、経済への影響や私権の制約に関わることを考慮して、慎重に検討する姿勢だ。

 一方で、第4波の全国的な拡大を食い止めることは喫緊の課題である。蔓延防止措置は対象地域を指定できる。政府が決断すれば、機動的に運用できるはずだ。

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