【主張】昭和の日 「一致団結」思い起こそう

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中で、再び昭和の日を迎えた。東京、大阪など4都府県には3度目の緊急事態宣言が出されている。

 昭和期の日本は、第二次世界大戦での敗戦という未曽有の出来事を経験した。多くの人が亡くなり、空襲や原爆の被害も大きかった。だが、焼け跡から復興を成し遂げた。苦難を乗り越えてきた先人の歩みを改めて想起したい。

 それはコロナ禍と戦う今の日本人の指針となるはずである。

 終戦の年の暮れ、産経新聞は社説(現在の「主張」)でこう訴えている。

 「行き方は違うが戦時中の一致団結心と敗戦後の一致団結心はなんの変りもなく、苦難克服への努力が一日早ければ早いだけ平和日本の建設に前進出来るのである」(昭和20年12月11日)

 昭和の戦争は一面的に是非を問えるものではない。それでも日本人が力を振り絞って難局に臨んだことは確かだろう。

 敗戦後の日本では食料をはじめあらゆる物資が不足し、法外な値を付けた取引もあった。本紙社説はそのような自分本位の姿勢を戒め、国民の団結を呼びかけた。

 コロナとの戦いも、国民の団結が大切である。

 「3密」を回避する、人との接触機会を減らす、手洗いなど感染予防を徹底する。緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等重点措置の対象地域でなくても、これらはコロナを抑え込む基本である。

 コロナへの慣れや自粛疲れはあるだろう。だが、国民が倦(う)まずにコロナ対策の基本に取り組まなければ、ワクチンが行き渡らない今、変異株、従来株が広がるばかりである。不用心かつ自分本位の行いは慎みたい。

 敗戦からの昭和日本の復興は奇跡といわれた。

 それができた国民にコロナ禍を克服できないわけがない。

 昭和の日は、昭和天皇の誕生日にちなんでいる。今年は明治34年のご生誕から120年の節目に当たる。

 祝日法で昭和の日は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日とされている。

 敗戦と復興という昭和の苦難の歩みを思い、令和に生きる私たちはコロナ禍を克服して日本の未来を拓(ひら)いていきたい。

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