【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村獅童(48)「いだてん」父の姿重ね

 勘九郎さんのお父さん、つまり勘三郎の兄さん(五代目勘九郎でのちの十八代目勘三郎、平成24年死去)には本当の息子のようにかわいがっていただきました。それなので勘九郎さんが子供のころから兄弟のように育ってきた感じで、微力ながら勘三郎の兄さんに恩返しできたらという思いもありましたね。あと勘九郎さんとは、若手の登竜門とされる「新春浅草歌舞伎」で10年近く一緒に汗を流してきた仲間でもあるんですよ。大先輩から厳しいご指導を受け、怒られながら、泣きながら、の毎日でしたからね。

 《来年放送予定のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では御家人、梶原景時(かじわら・かげとき)を演じる》

 梶原景時は、「梶原平三誉石切(へいぞうほまれのいしきり)」という演目をはじめ歌舞伎にもよく登場する人物で、自分自身も演じたことがあります。諸説ありますが、その人柄は大悪人といわれることも多く、源頼朝の死後、一族とともに滅ぼされた悲劇の武将というイメージですかね。ただ脚本は三谷幸喜(みたに・こうき)さんですから、ただの悪人というわけではないと思います。これまで三谷さんの作品に何度か出演させていただいたことがありますが、三谷さんはいつも自分が知らない自分を引き出してくれるんです。今回も、三谷さんが梶原景時をどのように描いてくださるのか今からワクワクしています。

 実は、大河ドラマにはこれまで放送された「春日局」「毛利元就」「武蔵」「新選組!」など多くの作品に出演させていただいています。「春日局」は高校生のときで、歌舞伎以外のお芝居の経験がほとんどなかったので、手も足もでなくて出演シーンのほとんどがカットされていましたよ。(聞き手 水沼啓子)

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