【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村獅童(48)裕也さんに魅了されて

 《中学生のころ、ロックンロールに興味を持ちはじめて、ザ・ローリング・ストーンズにはまる。高校時代はロックバンドを組んでいた》

 ボーカルとして、ライブハウスとかでミック・ジャガーばりにシャウトして歌いまくっていました。歌舞伎の舞台に出ることもほとんどないころだったし、不良っぽいことが格好良く見える年頃だったのでね。

 無名だった20代のころ、たまに僕を取り上げてくれる記事の中で「趣味はロックバンド」「ロックバンドもやる歌舞伎役者」みたいな紹介のされ方をしていたんです。大阪での公演のときのことなんですけれど、勘九郎の兄さん(のちの十八代目中村勘三郎、平成24年死去)に行きつけのバーに連れて行ってもらったら、そこにロック歌手の内田裕也さん(31年死去)もいて、一緒に飲むことになったんです。同じテーブルで飲んでいたら、裕也さんが「てめえか、ロッケンロールの歌舞伎役者は」と話しかけてきたんです。

 裕也さんは2、3杯飲んでから仲間を引き連れてその店を出たんですが、しばらくして、その店に裕也さんから僕宛てに電話が入って「おまえ、これから今いるバーに一人で来い」と呼び出されました。周りの人は「大丈夫?」って心配していたけれど、図に乗ってそのバーに一人で行ったんですよ。そしたら「おまえ、本当に一人で来たのか。この野郎、いい根性しているな。なんか面白いやつだな」って。

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