【外信コラム】トランプ氏の長い影

 あの光景は、生涯頭を離れることがないだろう。

 昨年の米大統領選でのバイデン次期大統領の当選を正式確定させる上下両院合同会議が行われた6日、トランプ大統領の支持勢力が連邦議会議事堂を襲撃・占拠した事件だ。

 白亜の「民主主義の殿堂」が黒山の人だかりによって「侵食」されていく様子には、慄然として立ちすくむしかなかった。

 あのとき、トランプ氏が逆転勝利する道が完全に途絶えたと知った支持者らは失望し憤っていた。トランプ氏は、この日に合わせて首都に集結した支持者らに「私は負けていない」と主張し、議事堂にデモを仕掛けるよう呼びかけた。

 事件後に公開された議事堂内のビデオ映像では、襲撃犯の一人が「これはトランプのためにやっているんだ」と述べていた。

 群衆が議事堂の廊下で「ペンス(副大統領)を縛り首にしろ」と斉唱している動画もあった。合同会議の進行役を務めたペンス氏が選挙結果の逆転に加担しようとしないことに「失望する」としたトランプ氏の発言に呼応したものだ。

 暴動をめぐるトランプ氏の責任に関しては、次期政権下での上院の弾劾裁判で重要な争点となる。その意味でも同氏は引き続き、首都の政治風景に長い影を落とし続けていくことになる。(黒瀬悦成「ポトマック通信」)

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