【主張】代表質問 協力して危機を乗り切れ

 菅義偉首相の施政方針演説に対する国会の代表質問が始まった。

 新型コロナウイルス対策をめぐり、立憲民主党の枝野幸男代表は「なぜこんなに後手に回っているのか」と述べ、緊急事態宣言の再発令などをめぐる政府対応の遅さを批判した。

 菅首相は「専門家の意見を伺いながら判断をした」と述べ、再発令が遅れたという見方を否定した。

 枝野氏は、今回の感染拡大は昨年11月に兆候が表れ、政府自身が「勝負の3週間」と言ったにもかかわらず、人の移動を促す「Go To キャンペーン」は続け、宣言再発令などの対策が後手に回ったと指摘した。首肯できる。

 菅首相は対応に問題があった点を真剣に反省し、今後は迅速な行動をとるよう努めてほしい。

 静岡県では海外渡航歴がなく、渡航歴のある感染者との接触も確認できない人が英国型の変異種に感染していた。市中感染ではないかとみられている。

 英国の惨状をみればわかるように感染力の強い変異種が日本国内でも広がれば、脆弱(ぜいじゃく)な医療・療養体制が崩れてしまう。政府は、変異種が見つかった地域などの対策強化を急ぐべきだ。知事に任せきりにして済む問題ではない。

 コロナとの戦いの最前線に立つ医療従事者に対し、20万円の慰労金の再支給を求めるなど、枝野氏の提案には耳を傾けるべき点があった。

 ただし、枝野氏がコロナ対策のための感染症法改正案に盛り込まれた入院拒否者への懲役刑に反対したのは誤りだ。新型コロナウイルスから感染者本人や周りの人々、社会を守るために確実な入院が求められる場合はある。罰則は合理的で、立民は容認へ舵(かじ)を切るべきだ。

 自民党の二階俊博幹事長は、政府のコロナ対策を支持する立場で質問した。先進7カ国(G7)で日本だけワクチン接種が始まっていない点などを、もっと叱咤(しった)すべきだった。

 二階氏は各党に「幅広く政治の力を結集しよう」と呼びかけた。一方、枝野氏が政府・与党とも協力して危機を乗り切る立場を代表質問で明確に語らなかったのは残念だった。批判すべき点は批判しても協力はできるはずだ。

 改めて言う。非常時の国会にふさわしい論戦をしてほしい。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ