【主張】陛下メッセージ コロナ禍で結束を新たに

 天皇陛下が元日、ビデオを通し、お言葉を述べられた。新型コロナウイルス感染拡大の中、国民を案じ、「皆が互いに思いやりを持って助け合い、支え合いながら、進んで行くことを心から願っています」と気持ちを込められた。

 国民も心一つに力を集め、コロナ克服への取り組みを新たにしたい。

 2日の一般参賀が、感染防止のため中止されたことに伴い、ビデオメッセージのかたちをとられた。皇后陛下も同席し、新年のあいさつを述べられた。

 天皇陛下は、コロナ禍についてお言葉の多くを費やされた。感染症で尊い命が失われたことに、「大切な方を失われた御家族の皆さんのお悲しみもいかばかりかと思います」と悼まれた。医療に携わる関係者に「深い敬意と感謝の意を表します」と伝えられた。

 新規感染者の発表が年末に全国で4千人を超えるなど感染拡大が収まらず、不安のなかで日々過ごしている人たちも多い。

 静かで心を込めたお言葉に癒やされ、力づけられた人々は少なくないはずだ。天皇陛下は「希望を持って歩んでいくことのできる年になることを心から願います」と語られた。すべての国民の願いである。国民も一人一人何ができるかを改めて考える機会としたい。自分の行動が家族、他人の命を守ることも銘記したい。

 国民と辛苦をともに歩もうとする姿は、天皇陛下が上皇、上皇后陛下を間近で見られながら、令和の時代に引き継がれた皇室の伝統である。

 10年前の東日本大震災では発生から5日後、上皇陛下が「皆が相携え、いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えることを衷心より願っています」とビデオでお言葉を述べられた。国民はどれだけ励まされたことだろう。

 令和の時代も天皇、皇后両陛下は、自然災害の被災地に足を運び、被災者らを直接励まされてきた。コロナ禍にあって国民と触れ合う場が限られる中、病院とお住まいをオンラインで結び、医療従事者をねぎらうなど交流を工夫されている。

 国民の目に映らないところでも、天皇陛下が数多くの宮中祭祀(さいし)で日本と国民の安寧と豊穣(ほうじょう)を祈られていることも忘れてはならない。そうした日本の国柄を改めて思い、国難を乗り越えたい。

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