【主張】コロナ変異種 水際対策に全力を挙げよ

 これまでの新型コロナウイルスよりも感染力が最大1・7倍の変異種が英国を席巻している。同国の最近の急激な患者増と変異種の確認時期には相関があるという。

 日本でもこの変異種の感染者が確認された。今月中旬から下旬にかけて英国から帰国した人などである。

 変異種のこれ以上の侵入と拡大を防がねばならない。政府は26日、全ての国・地域からの新規入国について28日から来年1月末までの間、一時停止すると発表したが妥当である。

 これに先だって日本は英国への短期出張者に認めてきた14日間の待機免除措置を24日に停止した。帰国する邦人には出国前72時間以内の検査証明を求め、入国時と入国後3日目に再検査する。

 当然の対応だ。政府は海外との往来緩和を進めてきたが、感染力の強い変異種の登場で事情は変わった。英国以外の国を経由する侵入もあり得る。出入国管理などを見直す必要がある。

 今のところ、従来の新型コロナウイルスよりも重症化したり、死亡率が上がったりするとの報告はない。だが、感染力の高いウイルスにより患者が増えれば重症者も死亡者も増える。国内で広がればすでに苦境に立つ日本の医療提供体制が持ちこたえられない。

 変異の監視はゲノム解析で行う。日本は空港検疫で見つかった陽性事例についてはゲノム解析を行っている。国内の陽性事例では1割程度で実施している。監視体制を一層強化してもらいたい。

 デンマーク、オランダ、イタリア、ベルギー、シンガポール、オーストラリアなどでも変異種が見つかった。英国よりもゲノム解析の割合の低い欧州諸国などですでに流行が始まっている可能性も捨てきれない。

 南アフリカ由来の別の変異種も見つかった。菅義偉首相は田村憲久厚生労働相に水際対策をしっかりとるよう指示していた。監視体制強化により変異種の侵入を見つけ、徹底したクラスター対策を講じる必要もある。

 政府は入国管理の不徹底で、今年3月中旬以降に欧米からの流入を許し、感染を広げてしまった苦い経験を持つ。その二の舞いは絶対に避けてほしい。ウイルスの変異はいつでも起こり得る。移動制限や日頃の感染対策の徹底が重要なことは言うまでもない。

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