【主張】感染さらに拡大 自衛の努力を徹底しよう

 政府が11月25日に宣言した「勝負の3週間」は効果なく、掛け声倒れに終わったようだ。

 人の移動が活発化する年末年始に向け、政府にはより実効力ある施策を望みたいが、それを待ってはいられない。

 老いも若きも、国民はこぞって新型コロナウイルスに対峙(たいじ)する知識と自覚を持ち、感染拡大の防止に寄与したい。それは自身と家族を守る自衛の戦いでもある。

 東京都で17日、新型コロナウイルスの新規感染者が初めて800人を超え、822人を数えた。全国でも3100人超となり、過去最多を更新した。

 病床使用率も各地で上昇している。東京都は17日、医療提供体制に関する警戒度を「体制強化が必要」から、最も深刻な「逼迫(ひっぱく)している」に引き上げた。

 これが「勝負の3週間」を経過した皮肉な結果である。

 政府は14日、年末年始の28日から1月11日まで観光支援事業「Go To トラベル」を全国一斉に一時停止すると公表した。だが27日までの間は従来の札幌、大阪両市に加え、東京都、名古屋市を目的地とする旅行のみを一時除外の対象とした。さらに16日になって広島市を目的地とする旅行も事業の対象外に加えられた。

 こうした小出しの後追いの政策が国民の意識に悪影響を与えているのではないか。一方で移動の自粛を要請し、他方で移動の奨励が続いていれば、国民の行動に迷いが生じるのは当然である。

 何もトラベル事業を停止すれば感染拡大が収束するといった短絡的な主張をしているのではない。国民の耳に、心に届きやすい説得力ある施策を求めているのだ。

 東京都の小池百合子知事は17日夕、緊急会見を行い、専門家から「遠からず1000人の大台に乗る」と指摘されたことを紹介して「年末年始コロナ特別警報」を発出、「これまで以上に危機感を持つ必要がある」と述べた。

 ただし都民へは帰省や忘年会、新年会などを控える等のお願い、酒類販売の事業者へは営業時間短縮への協力要請などにとどまり、感染拡大防止のための新たな具体的施策には言及がなかった。

 だが国や都、自治体の無策を嘆いてばかりいても仕方がない。コロナ禍を乗り切るために何ができるか。一人一人が考え、行動に移さなくてはならない。

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