例年と違った志望傾向も 激変の年、負けるな大学受験生

【記者発】大阪社会部・加納裕子

 本格的な大学入試シーズンを前に、新型コロナウイルスがまた感染拡大している。総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(旧推薦入試)は今まさに入試が行われており、年が明ければ一般選抜が始まる。大学内や地域の感染状況によっては緊急に選抜方法などが変更になる可能性もあり、気が抜けない状況だ。

 そんな新型コロナの影響に加え、来年1月は大学入試センター試験の後継として初めて「大学入学共通テスト」が実施される。こうした状況を受け、受験生には例年と違った志望傾向があるという。

 まず新型コロナ関連では、家計にゆとりがなくなったことや都市部の感染拡大を受けて、親元から通える範囲で進学する「地元志向」が強まっている。就職への不安からか、看護や食物・栄養、教員養成課程など、就職に有利な資格が取れる学部の人気も高まっているという。

 一方、初めて実施される大学入学共通テストは過去問題からの傾向分析などの対策が立てにくいため、「できれば避けたい」という意識をもつ受験生が多い。私立大の中には、大学入学共通テストの受験が必要な方式の入試を取り入れる学部があるが、大手予備校「河合塾」の模試での調査では、こうした方式の学部の志望者数は昨年に比べ、大幅に減っているという。

 さまざまな不安要素が多い年ではあるが、入試自体の競争は緩和されそうだ。

 18歳人口は減少し、現高校3年生の世代は前年度から2万6千人余り減って約114万1千人に。浪人生も減少し、河合塾は今回の受験人口を前年度より3万2千人減の62万6千人と推定している。令和元年度の大学入学者数63万1273人を下回り、本格的な「大学全入時代」の幕開けになるとみられている。

 予備校関係者からは「今年は安全志向が特に強く、実力よりも低いレベルの大学でもいいから早く決めたいという受験生が多い」という話を聞いた。だが大学は生涯にわたる友人や趣味、職業選択にも直結する、将来への扉だ。

 今年は競争相手が比較的少なく、背伸びして出願しても合格できる可能性が高い“チャンスの年”。大きな目標があるなら、あきらめないで努力を続けてほしいと願っている。

【プロフィル】加納裕子

 平成11年入社。和歌山支局、大阪整理部、大阪文化部などを経て、令和元年5月から大阪社会部。教育関連の取材などを担当している。

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