【主張】ドコモ値下げ 透明性ある料金体系示せ

 NTTドコモが携帯電話の新たな料金プランを打ち出した。通信容量が大きい契約では大手3社の中で最安値となる水準で、業界他社も追随値下げを迫られることになるとみられる。

 今回の新プランはインターネットによる受け付けに限定するが、同社は月内に既存プランの料金でも引き下げを表明するとしており、利用者に分かりやすい値下げを示してもらいたい。

 菅義偉政権は携帯各社に対して料金の引き下げを求めており、ドコモの値下げもこれに応えたものだ。ただ、本来の料金値下げは、民間の公正な競争を通じて実現することが筋である。そのために政府は通信業界の競争を促す環境整備にも努めねばならない。

 ドコモの新プランは、データ通信量20ギガバイトを月額2980円(税抜き)で提供する。1回5分以内の通話は無料とし、来年3月からサービスを始める。主に若者層を顧客に想定しており、専用サイトで申し込みを受け付ける。

 この値下げは同社の主力ブランドによるもので、第5世代(5G)移動通信システムにも対応するのが特徴だ。菅首相は4日の記者会見で新プランを「本格的な競争への一つの節目を迎えた」と評価しつつ、「本当の改革はこれからだ」と語った。

 携帯各社による本格的な料金競争につなげるには、ドコモが月内に公表する既存プランの値下げも大きな影響を与える。それだけに同社は、利用者が値下げを実感できるような透明性のある料金体系を打ち出してほしい。

 複雑な料金プランが林立することは、利用者サービスの低下につながることを携帯各社には厳しく認識してもらいたい。とくに高齢の利用者らに不要なオプションを勧めるなどの事例も見受けられる。何よりも利用者目線に立ったサービスが求められる。

 一方で携帯料金の継続的な引き下げを促すには、民間の健全な競争環境を整備することも欠かせない。とくにNTTがTOB(株式公開買い付け)でドコモを完全子会社化したことで、市場における同社の存在感が今後、再び高まるとみられている。

 総務省や公正取引委員会は携帯電話市場のルールを明確化し、公正な競争が繰り広げられるように促すことも重要な役割であると銘記してもらいたい。

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