【主張】コロナワクチン 早期接種へ万全の準備を

 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を円滑に進めるための改正予防接種法が成立した。

 国の主導で接種を行うことを明確にした。実施主体は市町村だが、国が費用を全額負担する。健康被害が生じれば、製薬企業が支払う損害賠償金を国が肩代わりする。

 新型コロナの感染拡大は国民の生命や健康を脅かし、社会経済活動を妨げている。ワクチン接種が平穏な日常を取り戻す契機になることが期待される。接種の環境を整えるための法改正が迅速に行われた点は評価できる。

 ワクチン開発は急ピッチで進んでいる。英国は2日、米製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンを承認した。日本や欧米の先進国で、欧米製の新型コロナワクチンを承認したのは初めて。来週前半にも英国内で接種が始まる。

 日本はファイザーから1億2千万回分、米バイオ製薬モデルナから5千万回分、英アストラゼネカから1億2千万回分のワクチン供給を受ける予定である。有効性はファイザーが95%、モデルナは94・5%とされ、期待が持てる数字だ。日本でも審査、承認が順調に進めば、今年度中にも接種を始められる。

 これらのワクチンは、人工遺伝子を使ったRNAワクチンという新しいタイプである。

 接種の環境を迅速かつ確実に整えねばならない。

 まず、移送や保管が課題となる。品質を保つためファイザー製ワクチンはマイナス70度以下の超低温、モデルナ製はマイナス20度での移送、保管が必要だ。冷凍庫の調達を確実にしてほしい。

 管理の難しいワクチンだけに集団接種となる可能性がある。対象者、実施場所、手順を分かりやすく定め、実施主体の市町村や国民に伝えなければならない。

 今回の法改正で国民には接種を受ける努力義務が生じる。ただし、有効性や安全性次第では、努力義務を適用しないことも可能となっている。予防効果と副作用のリスクの双方を国民に理解してもらう必要がある。

 現時点では深刻な副作用は伝えられていない。一方、接種部位の痛み、疲労や頭痛、筋肉痛などは報告されている。臨床試験の人数は限られており、多くの人に接種して初めて分かる副作用もある。接種後の観察、報告の仕組みも欠かせない。

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