【主張】香港活動家の収監 首相は王毅氏に抗議せよ

 中国政府による香港民主派への締め付けが、日を追うごとに強まっている。昨年6月に違法な集会を扇動したとして罪に問われた民主活動家の周庭、黄之鋒、林朗彦の3氏に対し、香港の裁判所は保釈の継続を認めない決定を下し、3氏は即日収監された。

 この裁判はそれ自体が理不尽な弾圧である。3氏は起訴内容を認めているが本意ではあるまい。量刑は12月2日に言い渡される。

 黄氏は収監前に「自由のために戦い続ける。中国政府に降伏するときではない」と、悲壮な決意を語った。

 世界の人々が、3氏をはじめとする香港の民主活動家の身を案じている。民主主義を重んじる日本などの国々は、周氏らの釈放に向け、中国政府とこれに従属する香港政府に対し強く働きかけねばならない。

 香港をめぐる中国の独善的な行動はとどまるところを知らない。11日には全国人民代表大会(全人代)常務委員会の決定に基づいて香港立法会(議会)の民主派議員4人の資格が剥奪された。18日には、3人の民主派前議員が議事進行妨害容疑で逮捕された。

 機密情報を共有する「ファイブアイズ」(5つの目)と呼ばれる米、英、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの5カ国の外相は民主派議員の資格剥奪に対する抗議声明を発した。

 すると、中国外務省の趙立堅報道官は「中国の主権と安全、発展の利益を損なうなら、目を突かれて失明しないように気を付けよ」と言い放った。

 まるで無頼漢のような発言である。「責任ある大国」から発せられる言葉ではない。中国政府は国際社会から厳しい反発を受けていることが分からないのか。

 残念なのは、日本の香港問題に対する発信が弱いままであることだ。7月に、香港の人権問題に取り組む超党派の「対中政策に関する国会議員連盟」が発足したが、それだけでは十分でない。

 米国は大統領選後の政権移行期で香港問題に積極的に関与しにくい。日本はなおさら、人権問題をめぐって、中国に厳然とした態度を示すべきだ。菅義偉首相は25日の中国の王毅国務委員兼外相との会談で、香港をはじめとする中国政府の人権弾圧を取り上げ、明確に抗議すべきである。

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