【主張】野口さんISSへ 「飛行士の夢」を次世代に

 野口聡一さんら4人の飛行士が搭乗した米スペースX社の宇宙船クルードラゴンが日本時間の16日午前、ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)から、国際宇宙ステーション(ISS)に向けて飛び立った。

 打ち上げは成功し、17日午後1時ごろにはISSにドッキングする。

 野口さんの妻、美和さんは宇宙航空研究開発機構(JAXA)を通じてコメントを発表した。

 「仕事に邁進(まいしん)し、引き継がれてきた技術、精神、そして希望をしっかり次世代に繋(つな)げるよう、成果を持ち帰ってくることを期待しています」

 今回の野口さんの飛行の意義と期待が凝縮された、これ以上の言葉はない。

 野口さんにとって今回が3度目の宇宙飛行である。2005年の初飛行では、コロンビア事故後の米スペースシャトル再開の重責を担い、2度目(09~10年)はロシアのソユーズで往復し、操縦業務も任された。今回は、宇宙開発に新しい時代を告げる民間宇宙船の本格運用初号機である。

 秋山豊寛氏による日本人初の宇宙飛行から30年。野口さんと、4回の宇宙飛行経験がある若田光一さんが、日本の宇宙技術と飛行士の存在感を大いに高め、日本の有人宇宙活動を牽引(けんいん)してきた。

 ただ、野口さんは55歳、若田さんは57歳、JAXAの現役飛行士7人の平均年齢は51歳だ。

 その技術、精神、そして希望を次世代に繋ぐことは、日本の宇宙開発の重要課題である。

 文部科学省とJAXAは先月、来秋をめどに新たに宇宙飛行士の募集を行うと発表した。

 米国が主導する有人月探査「アルテミス計画」に参加し、月面着陸をはじめ日本人飛行士の活動の幅が広がることを見込んだ。13年ぶりの新規募集で、若干名を採用するという。

 今後は5年に1度のペースで募集を行うという。狭き門でも、定期的な募集、採用が大事だ。1996年に飛行士に選ばれた野口さん以降、99年と09年に3人ずつが採用されたが、不定期の募集、採用だと、将来を見据えて宇宙飛行士を目指すのは難しい。

 野口さんに続き、来春ごろには51歳の星出彰彦さんが次のクルードラゴンで宇宙へ行く。日本人飛行士の活動の場をさらに広げる活躍を期待する。

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