【主張】コロナ「第3波」 北海道旅行制限も議論を

 新型コロナウイルス感染者が過去最多の1660人となった。

 感染拡大の傾向がとくに顕著な北海道では12日に確認された新規感染者が230人を超えた。

 日本医師会の中川俊男会長は全国的な感染拡大について「第3波と考えていいのではないか」と分析し、「全国的な感染者の急増が続けば、医療提供態勢が逼迫(ひっぱく)するのは明らか」と、強い警戒感を示した。

 政府には、「第3波」の襲来を想定し、機動的に対策を講じる態勢を整え、国民にも周知を図ることを求めたい。具体的には「Go To トラベル」の対象から、北海道を除外するかどうかを直ちに議論すべきである。

 人口比で換算すると、北海道の感染状況は、東京、大阪よりも深刻な段階にある。冬が本格化すれば気温、湿度はさらに低下し、ウイルスは増殖しやすくなる。

 もちろん、換気や手洗い、マスク着用を徹底し、「3密」を避けるなどの基本は重要だ。確実に効果はあるだろう。しかし、道外からの旅行者を含む多くの人の動きが、繁華街や観光地で重なり合う状況で感染拡大を食い止めるのは極めて困難である。

 日本に最初に新型コロナウイルスを持ち込んだのは、中国・武漢からの旅行者である。緊急事態宣言を余儀なくされた春の感染拡大は、欧州からの帰国者が、ウイルスを運んできた。

 観光業への影響を考慮し、経済活動と感染防止の両立を目指すのは当然のことである。政府の感染症対策分科会の尾身茂会長は「対策が十分に実行されないと社会経済活動を抑制しなければならなくなる」と語る。

 ただし、医療崩壊までが懸念される事態に対しては、その状況になる前の段階で経済活動を限定し、人の移動を抑制することを、ためらうべきではない。

 西村康稔経済再生担当相は「爆発的な感染拡大にならないようにしなければならないと危機感を強めている」と説明した。5月の宣言解除以降、経済活動の再開に軸足を置いた政府は、変わる勇気を示すときだ。

 今すぐ、「Go To」を停止すべきだというのではない。これから起こり得る感染状況の変化に、機動的に対応するためには、専門家の議論と政治判断をかみ合わせなければならない。

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