【外信コラム】米大統領選 ロシアではどこか寂しげ…

 米大統領選は、ロシアを担当する記者も固唾をのんで見守っていた。結果判明後、すぐに露政府の反応を記事にするためだ。米主要メディアがバイデン氏の勝利を伝えたのはモスクワ時間の7日夕。しかし待てど暮らせど露政府は声明を出さない。結局、ペスコフ露大統領報道官が「正式な発表を待つ」とコメントしたのは9日昼だった。

 プーチン露大統領に個人的な親近感を示してきたトランプ大統領に対し、バイデン氏はロシアを「米国の重大な脅威だ」と指摘。露専門家の間では、バイデン政権が誕生すれば米露関係は今以上に悪化するとの見方が強い。声明の遅れは、露政府内でもバイデン氏を祝福すべきか検討が難航したためだとみられている。

 ただ、今回の米大統領選では、ロシアによる選挙干渉疑惑が大問題となった4年前に比べ、ロシアが話題に上ることは少なかった。むしろ対中国関係が注目され、国営ロシア新聞も「以前ほど米露はお互いに重要な相手ではなくなった」と、どこか寂しげ(?)な専門家の意見を伝えた。

 それでもロシアは今後も「米国一極化への対抗軸」と自身を規定し、反米的な国々や指導者の間で求心力を保ち、国際的影響力の拡大を図るはずだ。新たな米露関係の行く末を、モスクワから伝えていきたい。(小野田雄一「赤の広場で」)

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