【主張】コロナ再拡大 冬場の猛威に警戒強めよ

 新型コロナウイルスの感染が国内で再拡大の兆候を示している。本格的な冬の到来を前に、感染防止の対策を怠らないようにしたい。

 5、6日と、新たに報告された新型コロナ感染者が2日連続で千人を超えた。1日の感染者数が千人を超えるのは8月21日以来だった。菅義偉首相は6日の参院予算委員会で「今まで以上に強い警戒感で状況を注視する必要がある」と述べた。

 寒冷な北海道で1日当たりの感染者数が100人を超え、宮城県でも過去最多の45人の新規感染者が確認されるなど、寒冷地での感染が目立つ。

 欧州での感染再拡大も寒さの影響が大きいとされる。イタリアでは5日、感染者が前日から3万4505人増え、1日の感染者としては過去最多となった。新たな死者も445人を数えた。ドイツでも1日の新規感染者が2万594人と初めて2万人を超えた。

 西村康稔経済再生担当相は5日の会見で「これから全国で寒くなってくる」と述べ、飲食店などで店内を「閉めきった中でどうやって換気を良くしていくか」といった課題を挙げた。

 冬場の課題は、換気だけではない。一般的にウイルスは高温多湿の夏場より、低温低湿の秋冬に活発化する傾向が強いとして第1波のころから警戒されていた。

 加えてこの時期は、従来のインフルエンザの流行期と重なる。発熱などの症状が酷似しているインフルと新型コロナが同時に流行すれば、医療現場は大きな負担を強いられる。

 政府は8月、インフルとの同時流行に備えた新型コロナ感染症の新たな対策をまとめた。当時の安倍晋三首相が「重症化リスクの高い人々に重点を置いた対策へ今から転換していく必要がある」と述べたのは妥当だった。果たしてその転換の準備は進んでいるか。

 検査体制の充実や軽症者に対する宿泊施設の整備は滞りないか。不断の確認が欠かせない。各自治体や医療機関は、医療崩壊の事態を招かぬよう、先手先手の対策を講じてほしい。

 国内の感染を比較的穏やかなものに押さえ込んできた功労者は冷静に対処してきた国民の一人一人だ。ただし先のハロウィーンでみた各地の繁華街の混乱ぶりは大変残念だった。油断はウイルスの大好物であると肝に銘じたい。

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