【主張】自転車事故 ルール守り安全に走ろう

 埼玉県警は、改正道交法のあおり運転容疑を自転車に初適用し、自転車で車の前に故意に飛び出すなどの危険な運転を繰り返していた33歳の男を逮捕した。

 男は住民らから「ひょっこり男」と呼ばれ、テレビのニュース番組などでも問題視されていた。逮捕に至ったのは危険性や悪質性が極めて高いと判断されたためだが、改めて留意すべきは自転車が道交法に定められた車両の一種であることだ。

 車両である以上、道交法の規則を守らなくてはならず、違反すれば罰則がある。

 自転車は原則、車道を左側通行しなくてはならない。例外的に歩道を通行できるのは、歩道通行ができるという道路標識がある、運転者が高齢者や児童、幼児などである、車道の交通状況などで歩道通行がやむを得ないと認められたときに限られる。その場合は歩道の車道寄り部分を徐行し、歩行者の通行の妨げとなるときは一時停止しなくてはならない。携帯電話の使用や傘を差すなどによる片手運転は禁じられている。

 誰もが日常生活の中で、多くの「交通違反」を目撃しているはずだ。理由なき歩道上の走行の罰則は、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金である。

 新型コロナウイルス禍の影響で街に自転車が増えているように感じる。バスや電車の混雑を嫌っての自転車通勤や、飲食店を避けた顧客に食事を運ぶ宅配自転車の高速走行、運動不足解消のための運転などが思い浮かぶ。

 自転車部品大手のシマノは、令和2年12月期連結業績予想を従来の減収増益から増収増益に上方修正した。主に海外での自転車需要が追い風になったとされるが、自転車への回帰は、国際的な潮流なのだろう。風を切っての自転車運転は確かに気持ちがいいが、ルールを守ることは自らの安全を守るためにも必要である。

 大阪府警は10月28日、大阪市内で67歳のパート女性の自転車にぶつかって転倒させ、左足骨折の重傷を負わせて逃げたとして、自転車を運転していた24歳の女性看護師を重過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕した。看護師は「夜勤に遅れそうだった」と容疑を認めているという。

 自転車は危険と隣り合わせの乗り物でもある。そう肝に銘じてペダルをこいでほしい。

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