【主張】米グーグル提訴 公正競争促す規制設けよ

 米司法省が独占禁止法(反トラスト法)に違反しているとして、米IT大手のグーグルをワシントンの連邦地裁に提訴した。グーグルが検索サービス市場の独占的な支配を通じ、健全な競争を妨げていると判断した。

 グーグルやアマゾン・コムなど「GAFA」と呼ばれる米巨大IT企業をめぐっては、その強大な影響力を使って取引業者に不利な条件を強いていると批判されてきた。

 米政府は自国企業保護の観点から規制強化には慎重だったが、今回の訴訟を契機に米国がIT規制を強めれば、公正な競争を促すうえで大きな転換点となる。

 巨大IT企業は世界各国で事業を展開している。日本を含めた各国が協調し、実効性ある規制を講じることも必要だ。

 米司法省によると、グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載するスマートフォンに、同社の検索アプリを標準装備させる取引をメーカー各社に求め、競争企業を排除したなどの疑いがある。グーグル側は「人々がグーグルを使うのは自ら選んだ結果だ」と反論している。

 米下院の司法委員会も今月、GAFAに対する規制を講じるため、事業分割などを求める提言をまとめた。グーグル以外のアマゾンやアップルも公正な競争を制限していると批判している。今後は他の巨大IT企業に対する提訴に発展することもありうる。

 巨大ITによる寡占を放置し、有望な企業が次々に買収されて新たな技術やサービスの競争が阻害されれば、消費者の利益を損なう。実際にグーグルはユーチューブ、フェイスブックはインスタグラムを買収しており、その市場支配力は強まっている。

 司法省は「競争を促さなければ次世代の技術革新の波に乗り遅れグーグルに続く次の企業を米国が生めなくなる」と強調した。

 基本・応用ソフトの抱き合わせ販売が問題となったマイクロソフト訴訟は、10年以上に及んで最終的に和解した。この裁判を通じて同社の支配力が低下し、スマホ市場でグーグルやアップルなどが急成長した側面もある。

 欧州連合(EU)も昨年、競争を妨げているとしてグーグルに巨額の制裁金を科した。巨大IT企業には世界的に批判が強まっており、公正な競争を確保するための姿勢が問われている。

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