【主張】東海野球部の大麻 慢心や甘えはなかったか

 東海大学硬式野球部の複数部員が、部の寮内で大麻を使用していたことが明らかになった。

 東海大は全日本選手権を4度制し、巨人の原辰徳監督や菅野智之投手ら多くのプロ野球選手を輩出した学生野球の強豪である。

 大学は野球部を無期限の活動停止とし、首都大学野球連盟が開催中の秋季リーグ戦を辞退した。

 大学スポーツ界では、1月に日本大学ラグビー部、10月上旬には近畿大学サッカー部で部員の大麻使用が明らかになった。芸能界でも摘発が相次いでいる。

 そこに甘えや慢心、特権意識はなかったか。

 大麻の害は等しく使用者の健康を害す。何より大麻取締法により禁じられた違法行為である。

 大麻の使用を認めた野球部員は大学の聴取に「興味本位だった」と説明した。日大ラグビー部員も「興味本位で始め、深みにはまってしまった」と話したという。近大サッカー部員は「新型コロナウイルスで暇になり、興味本位でやった」と話した。

 警察庁が平成30年に行った大麻取締法違反の検挙者に対する調査では、未成年者の初使用のきっかけは「好奇心・興味本位」「誘われて」「その場の雰囲気」とする回答が多く、危険性についての認識は希薄だった。

 部員らの動機もこれに類する。だが、他大学の処分や芸能人摘発のニュースから、発覚すれば自身や部、関係者に多大な迷惑をかけることは分かっていたはずだ。

 そこに思いが至らない理由には学内などで特別視される強豪野球部のおごりや、「おれたちは大丈夫」という根拠のない錯覚があったとしか思えない。「コロナ」の言い訳は甘えにすぎない。

 東海大によれば、野球部員128人を対象に聞き取り調査を実施したところ、「噂はある」「そういうことを聞いたことがある」などの回答があったという。

 大麻使用については多くの部員が知っていた、または感づいていた可能性が高い。

 全部員のうち110人がグラウンドに隣接する2棟の寮で生活し、大麻はこのうち1棟の4人部屋で使用された。部の閉鎖性や誤った仲間意識が薬物使用の温床となったのではないか。

 厳正な調査と処分を再発防止につなげてほしい。

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