【主張】GoToトラベル 混乱回避へ見直し怠るな

 旅行代金を補助する政府の観光支援事業「Go To トラベル」で再び混乱が広がった。

 今度は大手旅行予約サイトに割り当てられた予算枠が不足して、宿泊割引を減額する動きが相次いだ。

 赤羽一嘉国土交通相は13日、こうした事業者への予算枠の追加を表明し、元の割引に戻すように求めた。今後も利用実態に即した見直しを怠ってはならない。

 トラベル事業は当初、制度開始直前に東京発着の旅行が補助対象から除外されて混乱が生じた。今回は事前告知がなく、突然、割引が制限されて混乱を招いた。割引上限に格差が出れば、利用者が不利益を被りかねない。

 こうした事態を避けるためには、事業者と利用者らに対し、国が責任をもって制度に関する周知徹底を図ることも重要である。

 トラベル事業は国内旅行代金の半額相当について、1人1泊2万円(日帰りは1万円)を上限に補助する仕組みだ。半額のうち35%分は旅行代金から割り引き、残る15%分は旅先での買い物に利用できるクーポン券を配る。新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた観光事業者らを支援する。

 今月からは東京発着の旅行も割引が適用されるようになり、利用者がリクルートやヤフーなどの大手予約サイトに殺到した。このため、各社に割り当てられた予算枠の上限に迫り、割引を減額する動きにつながったのは問題だ。

 こうした予算枠は、各社の販売実績などに応じて配分したというが、事前の見積もりが甘かったのは否めない。利用者の増加に合わせ、予算枠を追加配分する見直しは当然である。割引が制限された一部利用者に対し、当初の割引が受けられるよう配慮も必要だ。

 今回のトラベル事業は来年1月末が期限となっている。予算額は事務委託費を含め約1兆3500億円だが、与党からは、期間延長や予算増を求める声が上がっている。その場合でも、利用の実態に応じて段階的に割引率を引き下げるなど、きめ細かな対応が求められよう。

 政府の飲食業支援事業「Go To イート」では、消費者側に不適切な利用もみられた。

 こうした需要喚起策の利用にあたり、新型コロナの感染拡大防止の徹底と同時に、適正利用を促す対策も講じねばならない。

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