【外信コラム】韓国人の生活文化がよく分かる韓国グルメ番組事情

 韓国では食べ物関連の番組を“モクパン”といって近年、大はやりだ。モクは食べる、パンは放送(パンソン)からきた「食べ物放送」の略語である。

 筆者のお気に入りモクパンはKBSテレビ「韓国人の食卓」とテレビ朝鮮「許英万(ホヨンマン)のベクパン紀行」。前者はベテラン俳優の崔仏岩(チェブルアム)が各地を訪れ、伝統的な韓国料理を紹介するもの。地元の食材や料理の仕方まで、独特の渋い語りでじっくり伝えてくれる。韓国人の生活文化がよく分かる上質のモクパンだ。

 後者は人気漫画「食客」の著者による、全国うまいもの食べ歩きみたいなものだが、店での食べっぷりやコメントが楽しい。ちなみに「ベクパン(白飯)」は韓国の大衆食堂のメニューに「ベクパン定食」としてもよく見かけるが、白いご飯付きということで本来は「ごちそう」の意味だったのかもしれない。だから番組も「ごちそう紀行」ということになるか。

 ところで番組に登場する地元の人や店の人はみんな日本語の「ハモ(鱧)」や「ワサビ」を使っているのに、字幕やナレーションでは「ケジャンオ」とか「コチュネンイ」などと難しい韓国語に言い直している。しゃべり手の言葉をテレビ制作者が勝手に変えているのだ。これも事実より「こうあるべき」が重要という韓国的事情?(黒田勝弘)

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