【主張】米大統領府で感染 他山の石とし予防尽くせ

 米ホワイトハウスで新型コロナウイルスによる集団感染が発生した。

 最高裁判事の指名式典出席者のうち、トランプ大統領以外にも、複数が新型コロナウイルスに感染していた。

 式典では大半の出席者がマスクを着けずにすし詰めで座り、ソーシャルディスタンス(社会的距離)も守られていなかった。陽性のトランプ氏は入院した。

 留意すべきは、世界は収束どころか依然、コロナ禍の感染拡大の渦中にあるということだ。

 欧州では第2波が押し寄せている。欧州連合(EU)の欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、9月28日までの1週間に確認された死者数は1日当たり約600人で、4千人に上った春に比べて少ない。

 だが、感染の再拡大により、英国やフランス、スペインは飲食店の営業規制や一部で休業要請の検討を進め、ロンドンではイベントの延期や中止も相次いでいる。

 KENZO(ケンゾー)ブランドで知られ、パリ在住の服飾デザイナー、高田賢三さんも新型コロナに感染して死去した。

 気を付けねばならないのは、日本も決して人ごとではないということだ。

 政府は10月以降、観光需要の喚起策「Go To トラベル」に東京発着を含めるなど拡大し、飲食業の支援策として「Go To イート」でポイント還元を始めている。イベント参加の人数制限を緩和したり、プロスポーツは数万人程度の集客を可能とした。全世界からの外国人の入国受け入れも一部再開した。

 厚生労働省によると、10月5日現在、全国の感染者は8万5千人を超え、死者は約1600人に上る。東京都では5日こそ66人だったが、新規感染者数は3桁で推移しており、油断できない。

 日本の場合、欧米に比べ感染者や重症者、死者の数が少ない。だが、国内では9月の4連休から10月にかけ、行楽地や都市部の繁華街などへの人出が増えている。

 小まめな手洗いや消毒はもちろん欠かせない。咳(せき)エチケットを守り、密閉、密集、密接の3密を避け、身を守る必要がある。

 人の往来増大や気の緩みで、感染拡大が再び進む恐れがある。

 欧米での感染拡大を他山の石とし、国民一人一人が感染予防を徹底したい。

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