【主張】新党代表選の告示 選挙互助会で終わるのか

 立憲民主、国民民主両党などによる合流新党の代表選が告示された。

 国民の泉健太政調会長と立民の枝野幸男代表による一騎打ちだ。参加する国会議員149人による投票と開票は10日で、4日間の短期決戦となる。党名投票も行う。

 安倍晋三首相の後継首相に対峙(たいじ)する野党第一党の代表選びだが、自民党総裁選の陰に隠れがちで、注目を集めているとは言いがたい。

 合流新党には衆院選対策という「選挙互助会」のイメージが付きまとう。与党に代わり政権を担う勢力に成長するという期待が、有権者の中で広がっていない。

 枝野氏は出馬表明の記者会見で「離合集散の歴史に終止符を打ち、政権の選択肢となって政治に緊張感を取り戻す」と語った。泉氏は告示の際の会見で「追及、批判だけではない政策を伝えられる野党を目指す」と述べた。

 その意気込みはよいとしても、厳しさを増す国際情勢の中で日本を守り抜いていけるのか、不安は尽きない。

 たとえば両氏は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を止めるよう訴えている。

 だが、移設は普天間飛行場周辺で暮らす市民を事故発生の危険から守り、中国や北朝鮮の脅威から沖縄を含む日本を守るための日米合意である。

 立民と国民は民主党をルーツに持つ。民主党の鳩山由紀夫首相(当時)は「最低でも県外」と唱え、普天間移設を混乱させて米国の信頼を失うなど同盟関係に大きなヒビを入れてしまった。合流新党はそれを反省せず、民主党政権の二の舞いを演じたいのか。

 枝野氏は民主党政権の失敗を念頭に「困難と挫折によって学んだ教訓を生かし、先頭に立つ決意だ」と述べたが、普天間問題の教訓をくまぬようでは安定した外交安全保障政策を展開できまい。

 合流新党の代表選は国会議員だけが投票権を持つ。立民や国民の党員、サポーターは投票できない。総裁選で全体の党員投票を見送った自民党でさえ、ほとんどの都道府県連が地方票の投票先を決める党員投票を実施する。

 自民党は2度にわたり下野したことがあるが地方組織が強固なことが政権奪還につながった。合流新党は党員を重視しなければ党勢拡大はおぼつかない。

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