【主張】防災の日 「水害に備える日」新設を

 コロナ禍の収束は見通せず、命を脅かすレベルの酷暑が続くなかで9月を迎えた。1日は「防災の日」である。

 今年は地域や学校、職場での避難訓練や防災イベントの開催を見送ったところが多い。こんなときだからこそ、地震、豪雨や台風、熱暑がもたらす災害から命を守るために、備えと心構えを新たにすることが極めて重要である。

 大規模な地震が発生したり、暴風雨が迫ったりしたときの命の危険度は、新型コロナのリスクよりずっと大きい。

 コロナ感染を恐れて災害からの避難、安全確保が遅滞することがないよう、防災の日を国民一人一人が「命を守る行動」の優先順位を確認する契機としたい。

 今年も、7月に記録的豪雨が熊本県を中心に各地を襲い、多くの犠牲者を出した。西日本豪雨(平成30年)、九州北部豪雨(29年)も同じ時季の発生である。昨年も九州南部は7月上旬に記録的豪雨に見舞われた。

 地球温暖化による「梅雨の凶暴化」で、土砂崩れや河川氾濫は毎年起こり得ると覚悟し、備えなければならない。

 関東大震災(大正12年)が起きた日である9月1日とは別に、梅雨から台風シーズンまでの水害を想定し命を守るために、「もう一つの防災の日」を設けることを提言する。

 梅雨入りの時季や区切りの良さを考慮すると、「6月1日」が最適だろう。9月1日と一対の「災害に備え、命を守る日」として定着させたい。梅雨入りの早い沖縄・奄美地方などでは、この日を先取りして備えてほしい。

 日本は災害多発国である。首都直下地震、南海トラフ巨大地震の切迫性は極めて高い。地球温暖化に伴う豪雨、台風の強大化と多発傾向は、今後も続くと考えなければならない。梅雨明け後の猛暑など、極端な暑さ、寒さからも命を守らなければならない。

 防災の日はこれまで、東海地震や南海トラフ地震、首都直下地震を想定した避難、救助訓練に重点が置かれてきた。

 地震防災の重要性は今後も変わらない。豪雨などの水害への備えは強化、徹底する必要がある。

 「防災の日」を1年に1度に限る理由はない。国、自治体と国民が一体となって「水害に備える日」を新設すべきである。

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