【外信コラム】「マスク王国」の風景

 韓国では新型コロナウイルス対策で地下鉄やバスはマスク無しでは乗せてくれない。バスは入り口で運転手がチェックするが、地下鉄ではこれまで駅の構内放送で着用を呼びかけるだけだった。ところが最近、改札口でカードをあてるたびにマスク着用を呼びかける音声が出るようになった。すごい。

 このところ感染状況がぶり返し当局は対策に必死だ。それでもごくまれにマスク無しの客がいて、運転手や他の乗客とケンカになり逮捕者まで出ている。今やマスク無しは“非国民”として社会的糾弾の対象になっている。そこで筆者も外出時に「あっ、つけ忘れた」があるので財布に予備のマスクを入れている。

 ということで韓国は世界に冠たる“マスク王国”であり、薬局やスーパーはもちろん屋台や路上販売を含めマスクは街にあふれている。しかし筆者はこれまでマスクを店で買ったことは一度もない。というのはなじみの居酒屋や食堂で「1人暮らしの外国人は大変でしょう」と、マスク不足のころからよくマスクをプレゼントしてくれたのだ。

 この気配りはうれしくありがたい。街の飲み屋や食べ物屋はコロナ禍でお客の入りが激減しているが、そんな情にほだされ(?)筆者はこれまでと変わらず通っている。これ矛盾かな。(黒田勝弘「ソウルからヨボセヨ」)

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