【外信コラム】韓国らしくない夏は気象だけではなく…

 ソウルで6月末から54日間続いた梅雨が先週ようやく明けた。観測史上最長で最も遅い梅雨明けだった。今は日差しこそ強いが、朝晩過ごしやすい。夏は一瞬で、一気に初秋が近づいてきたような気配もする。

 日本に比べ梅雨が短く、雨も少なく湿度は低いのが朝鮮半島の夏の特徴だ。だが、今年は梅雨時の大雨による異例の河川氾濫や土砂崩れが多発。例年なら南東部をかすめる程度の台風も、26日には強い勢力で西海岸沖を北上した。

 韓国らしくない夏は気象だけではない。朝鮮半島の日本統治からの解放記念日「光復節」の15日は、新型コロナウイルスの感染予防もあり、毎年恒例の派手な反日集会は影をひそめた。その代わりか、ソウル中心部では、文在寅(ムン・ジェイン)政権の経済政策や対北朝鮮政策を批判し退陣を求める大規模集会が、当局の中止命令を振り切り行われた。

 日本との歴史がからむ最も象徴的な日も、感染という現実には逆らえない。その一方、政権に不満を持つ人々は反日より文政権批判に重きを置き、感染の危険性を顧みず集会に集まる。これが韓国の現実だ。

 「日本!日本!」と騒がしい毎年8月の韓国は一体何だったのか。現実問題の方が日本との歴史より重要だという本音が垣間見えた韓国の短い夏は終わろうとしている。(名村隆寛「ソウルからヨボセヨ」)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ