【主張】コロナと大学 「学費返せ」の不満解消を

 新型コロナウイルスの影響で、キャンパスへの入構が制限され、対面授業の再開に二の足を踏む大学が目立つ。

 大学側がコロナ感染を恐れるためだが、学生からは「学費を返して」との不満も出ている。長期の感染対策が求められる「ウィズコロナ」時代の大学教育のさらなる工夫を求めたい。

 入学式もオンラインで、春から一度もキャンパスに入れない学生もいるという。文部科学省のまとめでは施設を全面開放している大学は15%にとどまる。9月の後期・秋学期が迫るが、都市部の大規模大学では、オンライン授業を原則とする大学が少なくない。

 大学を感染拡大の場としない配慮と対策は当然必要である。しかし、小中高校が順次再開しているのに対し、なぜ大学のキャンパス再開が遠いのか、学生らの不満には耳を傾ける必要がある。

 文科省は感染対策を講じ、対面授業を検討するよう求めてきた。萩生田光一文科相は今月中旬の会見で「学生が納得できる質の高い教育を提供することは必要不可欠」とし、それができない場合、「授業料の返還を求める学生の声が高まることも否定できない」と厳しく指摘した。

 学費が年間100万円を超える大学も少なくない。近年、高額化が指摘されてきた。大学側は施設充実や外国語教育など少人数教育のための設備に経費がかかることを挙げるが、それも学生確保のためだろう。キャンパスに入れないのでは、学生は充実した施設・設備を使いようがなく、コロナ下の学生の不満を放置する言い訳にならない。

 大学によっては正門に検温所や発熱者検知システムを設けるほか実験・実習の授業や図書館の利用など、キャンパス入構を段階的に認める所もある。グループに分け少人数の対面授業を再開する所もある。参考にしたい。

 オンライン授業についても質向上へ検証を重ねてもらいたい。学生の不満は、授業がマンネリでつまらないからではないか。教授とともに質問役の大学院生が登場し、オンラインでも興味をひく授業をしている例もある。

 私大を含め国から多額の助成金が投じられている。大学が「レジャーランド」などと言われて久しいが、行かずともいいような大学には退場願いたい。

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