【主張】国民民主の解散 政策や理念は置き去りか

 政党とはかくも軽い存在だったのか。

 「選挙とカネ」目当てで離合集散を繰り返す野党の動きは目に余る。一体誰のために議員バッジを着けているのか。

 19日に両院議員総会を開き、党を解散し立憲民主党との合流を決めた国民民主党のことだ。

 残りは新党を結成するが、大多数は合流する。巨大な与党に対抗する「大きなかたまり」をつくるためだ。選挙対策上の戦術を頭から否定しない。

 だが、政策や理念を置き去りにした合流は評価できない。共産党との協力を拒否してきたのはどこの政党か。それが、共産党との協力も厭(いと)わない立民に合流する。有権者からは、合流後の立民が左派色を強めて先祖返りするとみられるのではないか。

 選挙の受け皿としての体裁を整えるだけでは意味がないことを野党議員は知るべきだ。どうしたら有権者の負託に応え、国政で存在感を発揮できるのか。政権交代でこの国をどうしたいのか。合流先の立民も同じだ。健全な政党政治を取り戻すためにも、理念と政策の練り直しが先決だろう。

 国民は平成30年分の政治資金収支報告書で、翌年への繰越額108億円を計上した。一方の立民は18億円に止(とど)まった。資金力の差は歴然である。立民が合流を呼び掛けたのは、国民が保有する資金目当てとみられないか。

 見過ごせないのは国民が保有する資金の行方だ。統一地方選や参院選で目減りしたが、それでも50億円あるとされる。合流に参加する議員と不参加議員の数に応じて分配する案が浮上している。

 玉木雄一郎代表は会見で「金をめぐって内ゲバするようなことがあれば(一般)国民から見放される。そんなことなら全額国庫に返した方がいい」と語っている。

 今回の再編劇が選挙対策に止まらず、カネの分配をめぐる醜い争いが根っこにあることを有権者はすでに見透かしている。総会では政党交付金の分配に直結する分党の賛否には踏み込まなかった。口で言うだけではなく、実際に国庫に返還してはどうか。

 政党助成制度は、企業・団体献金の縮小、制限を前提として、政策や政党本位の政治を促すために導入された。総額で年間300億円余が支給される。政党交付金の金額や分配のあり方など、抜本的に見直すべきである。

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