【主張】酷暑とコロナ 高齢弱者を独りにするな

 連日、うだるような暑さが続いている。17日には浜松市中区で、国内史上最高タイの41・1度を観測した。浜松市では16日にも40度以上を記録したばかりだった。

 酷暑は全国的に広がっており、各地で40度近い最高気温が記録された。気温は風通しのいい日陰で観測される。

 炎天下の気温は知ることさえ恐ろしく、殺人的であるとさえいえよう。猛暑は強い太平洋高気圧とチベット高気圧が層を重ねて日本列島を覆っているためで、厳しい暑さは少なくとも今週末まで続く見通しという。

 気象庁は小まめな水分補給といった熱中症対策を呼び掛けているが、不幸な知らせが後を絶たない。キーワードは室内、夜間、高齢者の3つである。

 埼玉県寄居町で17日、94歳の男性が亡くなった。男性は就寝中に窓を閉め切り、扇風機を使用していた。愛知県西尾市では16日、自宅で90代の男性が起きてこないため、家族が見に行くと意識を失っており、搬送先の病院で死亡が確認された。

 東京都文京区では6日、認知症の症状がある80代の男性が自室で熱中症のため死亡した。80代の妻も認知症で、設置されていたエアコンは約1週間前から故障し、使用していなかった。

 熱中症は高温多湿の環境で体の熱を十分に放出できず、水分と塩分のバランスが崩れて体温調節機能が急激に低下する病気だ。

 一般的に高齢者は汗をかきにくく、体温調節を苦手とする。クーラーがなかった幼少時の記憶などから冷房を嫌いがちで、就寝時には止めてしまう人も多い。

 だが、50年前と現在の夏では、暑さのステージが違うと理解すべきである。

 熱中症対策で冷房に頼ることは恥ずかしくも何ともない。ただ高齢者は往々にして、長年の生活習慣を変えることを好まない。

 そこで家族の見守りや説得が必要となるのだが、この夏は新型コロナウイルス感染拡大の影響で帰省もままならない。

 熱中症弱者である高齢者を孤独にさせていないか。まず電話をかけよう。冷房の重要性と熱中症の怖さを伝えよう。必要であればコロナ対策に万全を期し、直接訪問して冷房環境を整えよう。コロナも恐ろしいが、一夜にして人の命を奪う熱中症はもっと怖い。

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