【主張】正体不明の種子 国は実態把握と解明急げ

 中国が発送元とみられる正体不明の種子が入った郵便物が、日本各地に届いている。

 病害虫が付着しているかもしれない。心当たりのない種子が届いた場合は、庭や植木鉢に植えたり捨てたりせず、最寄りの農林水産省植物防疫所に相談してほしい。

 植物防疫官の検査を受けないまま、怪しげな種子の国内侵入を許してしまっている現状を放置するわけにもいかない。

 政府が実態把握と種子の分析を急がねばならぬのは当然だ。

 中国など関係国への照会のほか、税関や地方自治体と情報共有に努め、国民への注意喚起を徹底してもらいたい。

 神奈川県三浦市によると、7月末、市内の60代の男性から「不審なものが届いた」と封筒が持ち込まれた。封筒は約15センチ四方で中のポリ袋に茶色の種子が約100粒入っていた。送り元は中国広東省深センと記され、中身は宝石と記されていた。いずれも英語表記で、差出人の名前はなかった。

 農水省によると、北海道から沖縄県まで広範囲にわたり、「注文した覚えのない種子が中国から届いた」などという相談が、各地の植物防疫所に700件届けられた。共通するのは、指輪やネックレスなどと記されていた点だ。発送元が二重ラベルのものもあった。米国やカナダでも、同様のケースが多数報告されている。

 植物防疫法の規定では、植物防疫官による検査を受けなければ種子などの植物は輸入できない。輸入時の検査に合格した場合、外装に合格証が押される。届け出のあった種子を入れた袋には、いずれも合格証はなかった。

 注意すべきは、「ブラッシング詐欺」の可能性だ。

 ブラッシング詐欺は、通販サイトで出品者が注文件数を増やし、サイト内での掲載順位を上げるために行うオンライン詐欺の一つである。相手の同意なく勝手に送り付け、受取人を装ってサイトに高評価のレビューを書き込む。高評価を得ると順位が上がり、その後の販売が有利になる。

 種子を送り付けられた人は、通販サイトで商品を購入していなかったか。ネットショッピングは便利だが、落とし穴もある。名前や住所などの個人情報が第三者に漏れる可能性がある。クレジットカードの明細書に不審な点がないかを確認する注意も欠かせない。

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