【主張】巨大IT規制 国際協調で監視を強めよ

 米国で巨大IT企業に対する批判が急速に高まっている。

 先月末に開かれた米下院のオンライン公聴会にグーグルなど大手4社のトップが呼ばれ、その大きな影響力を使って公正な競争を妨げていると厳しい批判を浴びた。

 各社は「私たちは厳しい競争にさらされている」などと反論したが、世論の理解を得られたとは言えない。

 世界の多くの企業が新型コロナウイルスの影響で深刻な打撃を受けている中で、巨大IT企業の業績はおおむね好調だ。巨額の利益を稼ぎ出す独占的なビジネスモデルに対する監視が欠かせない。

 米司法省では、巨大IT企業に反トラスト法に基づく調査を進めている。日本や欧州の当局も独占禁止法などを通じてIT企業の規制を目指しており、各国が協調した新たな規制が必要だ。

 公聴会に呼ばれたのは、「GAFA」と呼ばれるグーグルやアマゾン・コム、フェイスブック、アップルの大手IT企業の経営トップだ。議員らは各社が競争を制限し、寡占状態の中で巨額の利益を得ていると批判し、出席したトップたちは防戦に追われる場面が目立った。

 巨大なIT企業をめぐっては、その事業形態や取引条件などが不透明だと批判されている。利用者向けの巨額な広告料収入などによる収益構造も判然としていない。このため、米司法省は競合他社の参入を妨げている恐れがあるとみて調査している。

 こうしたIT企業は世界市場で事業を展開しており、その活動に対する規制も各国が協調しなければならない。各社が独自に集めている顧客データなどの利用動向を含め、国際的な監視網の構築が不可欠といえよう。

 一方、こうしたIT企業に対するデジタル課税は、米政府の反発で協議が難航している。先月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも具体的な進展はみられなかった。年内合意の目標達成は微妙な状況だ。

 国際デジタル課税をめぐっては、国内に拠点がない企業にも当該国が一定の課税ができるルールでいったんは合意した。

 だが、自国企業を守りたいトランプ政権がルール運用の変更を求め、対立が生まれている。米政府はデジタル課税についても国際的な協調を優先すべきだ。

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