【外信コラム】「請求権資金」と「徴用工問題」 京釜高速道路50年に思う

 韓国の陸の大動脈である首都ソウルと南部の釜山をつなぐ「京釜(キョンブ)高速道路」が開通50年という。7日にささやかな記念式があり、マスコミは半世紀を回顧しながら韓国経済と国民生活を豊かにしたその歴史的意義を解説していた。

 韓国が後に有力な自動車生産国になり、かつマイカー時代が到来することなど想像もできなかった当時、高速道路建設を決断した朴正煕(パク・チョンヒ)大統領の先見の明と指導力があらためて評価されているが、この韓国最初の高速道路誕生に日本が“協力”したことを伝える話は残念ながら見当たらない。

 というのは1965年の日韓国交正常化の際、日本から提供された経済協力資金(韓国では請求権資金)の一部がその建設に投入されているのだ。韓国政府発行の『請求権資金白書』(76年刊)には資金の代表的な使途として、浦項(ポハン)製鉄や昭陽江(ソヤンガン)ダムとならんで京釜高速道路の建設が挙げられている。

 あの時の「請求権資金5億ドル」は、過去をめぐる補償問題はこれですべて終わったとして韓国政府がまとめて受け取り、主に経済建設に使った。必要な個人補償は韓国政府が受け持つという約束だった。それを今になってまた日本に補償しろというのが「徴用工問題」である。経済発展した韓国としては恥ずかしい話ではないか。(黒田勝弘「ソウルからヨボセヨ」)

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