【主張】観客解禁 共存のモデルケース示せ

 プロ野球とサッカーのJリーグは10日から、無観客で行われていた公式戦に上限5千人の観客を入れる。

 新型コロナウイルスとの戦いは長期にわたると覚悟しなければならない。カギを握るのはウイルスとの共存である。プロ野球やJリーグには、日常を取り戻すためのモデルケースを示してほしい。

 東京都で9日、新型コロナウイルスの感染者が新たに過去最多の224人も報告されるなど楽観できる状況にはない。

 だが、経済活動を完全に止めてしまっては社会生活が成り立たない。娯楽も同様である。

 全観客に入場前の検温やマスクの常時着用を求め、スタンドではソーシャルディスタンスを保つ。鳴り物や歌などを禁じ、静かな応援を要請する。ジェット風船の使用は認めない。

 こうした措置で観客を感染から守ることを徹底する。

 プロ野球は5千人、Jリーグは5千人、あるいは会場収容率50%の少ない方を上限とする。

 政府の指針では8月1日から観客は会場収容率の50%まで入れられるとされるが、プロ野球とJリーグが合同で設置した新型コロナウイルス対策会議の専門家チームは、今月20日ごろの感染状況を評価する必要があると指摘した。

 まず、球場から感染者を出さないことである。スタンドでクラスター(感染者集団)が発生するような事態は最悪だ。

 そのためには、リーグやチームの努力だけではなく、観客の全面的な協力が欠かせない。

 一つ一つ実績を積み重ね、課題を克服しながら観客数を増やしていってほしい。そうした集積が大規模ライブイベントの復活や、来夏に延期された東京五輪・パラリンピックの開催にもつながる。

 無観客で開幕、再開されたプロ野球、Jリーグでは、慣れない環境の中、チームや個々の選手が使命感を発揮し、好ゲームを繰り広げてきた。

 投球の捕球音や甲高い打撃音、ストライカーがシュートを放つ際の低い衝撃音など、無観客試合にはさまざまな発見があった。

 だがやはり、好プレーには歓声がほしい。失望のため息や、凡プレーに対するブーイングまでがなつかしい。最初は少なくても、観客の存在に選手のプレーにも熱がこもるだろう。

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