【主張】「気の緩み」 感染再拡大の事態招くな

 17日の日曜は、全国的に好天に恵まれた。

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の一部が解除されて最初の週末だったこともあり、全国の各地で人出が戻った。営業を再開したデパートや飲食店も多く、待ちかねた客らが押し寄せた。

 ただし気の緩みが度を過ぎれば、次の感染拡大を招く。せっかくの努力でここまでこぎつけたのだ。今しばらくの辛抱を続けることが、自身や家族、社会を守ることにつながる。

 西村康稔経済再生担当相も17日のNHK番組で「気の緩みで大きな流行が起こる可能性がある」と述べた。

 NTTドコモの調査では、16日の土曜は緊急事態宣言が解除された39県の9割近くの地点で9日の人出を上回り、好天の17日は宣言が続く8の特定警戒都道府県を含む全国の9割以上で10日の水準を上回った。

 実感を伴う数値である。都内でも歩道では人が行き交い、公園は家族連れであふれ返っていた。路上や電車内でもマスクをしない人が目立ち始めた。ジョギング中の人も同様だ。

 気温も上昇し、マスクをしたまま走るのは息苦しいのだろう。例えば自身もジョガーであるノーベル賞受賞者の山中伸弥教授はマスクの代用に「ネックゲイター」の装着を推奨している。

 そうした工夫を楽しみ、さまざまな方策で自粛と健康を両立させる道を探りたい。

 経済の回復は重要だが、感染の再拡大が起きれば肝心の回復をさらに遅らせることになる。

 折しも、内閣府が公表した1~3月期の実質国内総生産(GDP)は年率3・4%減に落ち込み、2四半期連続のマイナス成長を記録した。

 政府が緊急事態宣言を発令した4月以降は、さらに景気が悪化したとみられる。

 休業で事業継続の瀬戸際に立たされた零細な事業者などには、宣言の一部解除でようやく一息つけるところも多いだろう。

 だが、ウイルス禍の終息には今後もかなりの時間を要しよう。失われた収益を一気に取り戻そうと経済活動を急ぐあまり、再び感染を拡大させては元も子もない。

 大切なのは、経済回復と感染抑止を両立させる「新たな日常」をいかに確立できるかだ。

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