【主張】大阪モデル 出口の戦略は地域ごとに

 新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言で「特定警戒都道府県」にとどまっている大阪府が、独自の解除基準「大阪モデル」により、施設や店舗に対する休業要請の段階的解除を決めた。

 「特定警戒」の8都道府県の感染状況は同じではない。大阪のように独自の基準を定め、状況をコントロールできると判断すれば、段階的解除はあっていい。

 必要なのは、地域の実情に合わせた出口戦略である。

 宣言に基づく外出自粛や休業要請は感染症対策として当然だったが、社会経済に与える副作用も大きい。「新しい日常」に代表される感染症対策を人々が続けるためにも、経済的打撃はなるべく減らさなければならない。

 大阪府の吉村洋文知事は、警戒態勢をとるとした上で、「ウイルスと共存していく新たなステージに入った」と語った。感染防止に努めつつ休業要請を段階的に解除する道は容易ではないが、試みる価値がある。

 大阪モデルは、陽性率や感染経路不明者数など3つの指標を使って解除を判断する。8日から運用を始め、7日連続で基準を下回ったため16日午前0時からの一部解除に踏み切った。

 これにより、大学や学習塾、劇場、映画館、商業施設などが動き出す。飲食店も営業時間が延長される。大阪府が業態や業種別に用意した感染防止マニュアルは必ず活用したい。

 大阪府のとってきた感染症対策が解除につながった。東京都などが最近まで示せなかった陽性率を大阪府は早い段階から公表していた。検査をはじめ事態を把握する努力を重ねてきたといえる。症状に応じて入院先を振り分ける「入院フォローアップセンター」を3月に立ち上げ、院内感染の支援チームも活用した。

 「特定警戒」の兵庫県と京都府も、独自の基準で休業要請を部分的に解除することを決めた。東京都は要請緩和に向けたロードマップの骨格を15日に示したが、成案の公表は来週としている。

 新型ウイルスへの対応は試行錯誤にならざるを得ない。見通しに反し、再び感染が拡大して基準に触れる場合は、休業要請に戻ることをためらってはならない。感染防止と経済の両輪を回し続けるため油断せずに行動したい。

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