【主張】感染症対策本部 警戒緩めずに学校再開を

 政府が、全国一斉の臨時休校を要請した学校について、4月の新学期から可能な地域で再開する方針を打ち出した。

 安倍晋三首相は感染症対策本部の会合で、自治体が学校再開を判断するための具体的方針をまとめるよう指示した。

 一斉休校に意義はあったが、子供の学業は重要であり、中国・武漢発の新型コロナウイルスとの戦いは長丁場となる。緩急をつけた対応が必要で、感染状況と照らし合わせ、可能な地域の学校を再開することは妥当である。

 ただし、日本が爆発的な感染拡大の脅威にさらされていることを忘れてはならない。感染拡大を阻むために社会経済活動を控えることは痛みを伴うが、無原則に緩めてはいけない。

 政府の専門家会議の19日の提言が、日本が置かれた厳しい状況を説いたことを重視すべきだ。

 一部地域で感染拡大が続いている。都市部などで感染源不明の感染者が増えている。これが続けば、欧州が直面しているような、患者が爆発的に急増する「オーバーシュート」という事態が日本でも起きかねないという。大規模イベントは感染拡大のリスクがあり、主催者がそのリスクを判断して慎重に対応するよう求めた。

 中国や欧米と比べ、日本の感染・犠牲者数が少ないからといって油断できないということだ。

 提言は、一斉休校や大規模イベントの自粛要請、国民の行動の変化など、これまでの対応には効果があったとした。そうであっても、今後について厳しい認識を示した点を重く受け止めたい。

 首相が専門家会議の提言を踏まえ、大型イベントについて慎重対応を求めたのも当然だ。

 大阪府の吉村洋文知事が19日夕、20日からの3連休について、大阪-兵庫間の不要不急の往来自粛を呼びかけた。国の専門家チームが18日に大阪府と兵庫県に入り、提案した。知事による突然の要請は波紋を呼んだが、感染の急拡大が懸念されているため、やむを得まい。

 ただし、吉村氏と兵庫県の井戸敏三知事が話し合わずに異なる内容の発表をしたのは疑問だ。井戸氏は往来自粛をとりあえず24日までとした。期間がずれていれば、府県民が混乱する。

 緊急の対応であっても、基本事項の調整を怠ってはならない。

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