【主張】経済対策 大胆で効果的な手を打て

 政府が4月の経済対策策定に向けて検討作業を本格化させている。

 新型コロナウイルスの感染拡大が世界中の経済を凍り付かせており、即効性のある財政出動は喫緊の課題である。効果的な政策を大胆に講じなければならない。

 グローバルな人とモノの移動が制限されて企業の供給網が機能せず、暮らしも幅広く自粛を求められている。経験したことのない事態であり、前例にとらわれてはならない。

 対応が不十分なら、不況の淵から逃れられなくなるという危機意識を持つことが重要である。

 政府・与党では国民への現金給付などが検討され、消費税減税を求める与野党の声もある。政府は19日、有識者らから集中的に意見を聞く会合を始めたが、経済の実態をきめ細かく把握し、必要な施策を遅滞なく講じてほしい。

 対策効果を高めるためにも、個々の施策のタイミングを適切に判断したい。優先すべきは、雇用を守り、所得減少を補う手立てに万全を期すことだ。ここが不十分では、感染が収束に向かっても景気回復はおぼつかない。

 企業の資金繰り支援に不足があってはならない。18日には、経済的な打撃を受けた家庭に対する公共料金の支払い猶予や、個人事業主に対する緊急小口貸し出しの拡充なども打ち出したが、苦境が長引くことも想定しておかなければならない。内容や規模に不足があれば即座に見直し、拡充する柔軟さが必要である。

 株価暴落などで極度に悪化した景況感を改善するには消費を上向かせる刺激策も欠かせない。ただし、政府が国民に自粛を要請している段階でアクセルを踏み込んでも、空ぶかしに終わりかねないことには留意がいるだろう。

 現金給付はリーマン・ショック後、1人当たり1万2千円を支給したのと同様の措置である。同じ額では足りないという指摘や、逆に現金を給付しても貯蓄に回るだけだという慎重な見方もあり、精査が必要だ。消費税や所得税、固定資産税などの減税も含めて検討を急いでもらいたい。

 トランプ米政権が1兆ドルの財政出動を検討するなど各国もこぞって経済対策を検討中だ。先進7カ国(G7)首脳は金融、財政などあらゆる政策手段を用いることで一致した。各国と足並みをそろえる視点も忘れてはならない。

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