【外信コラム】韓国メディアも自嘲する「ダダこね共和国」 慰安婦・徴用工問題も延長線上に

 中国発の新型肺炎は韓国でも大騒ぎになっているが、韓国的な風景がいくつかある。武漢から空路で避難してきた人たちを臨時に隔離・収容する施設をめぐる住民の激しい反発がその一つ。抗議の住民と警官隊が対峙(たいじ)し、説得のため現地に乗り込んだ当局の大臣や次官がつるし上げに遭うなど、修羅場が見られた。

 施設はソウルから遠く離れた地方都市にある公務員研修施設みたいなところだが、最初に発表された予定地を地元の反対で取り消し、変更したものだから住民が怒った。政界では「与党地域から野党地域に押しつけた!」などという声まで上がった。

 当初の政府対応のまずさはあったとしても、恐怖感による感情的で利己的な“市民運動”に世論の批判が起きている。韓国では1990年代以降、いわゆる民主化でこの種の集団利己主義の弊害が頻発。現在の文在寅(ムン・ジェイン)政権はそうした市民運動、労働運動など、いわばデモを背景に政権を握った経緯があり、今それが自分に跳ね返ってきている。

 人々がダダをこねれば、それが通る社会になってしまったということでメディアは「ダダこね共和国」と自嘲しているが、日本に対する歴史がらみの慰安婦・徴用工問題などでの執拗(しつよう)な要求もその延長線上にある。あれは「対日ダダこね」である。(黒田勝弘「ソウルからヨボセヨ」)

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