【主張】女川原発「合格」 新たな再稼働の道筋開け

 宮城県の牡鹿半島に立地する東北電力の女川原発2号機(沸騰水型、出力82・5万キロワット)が原子力規制委員会の安全審査で、事実上の合格証を獲得した。

 残る審査などが順調に進めば、再来年度中の再稼働も視野に入る。

 これまでに再稼働している原発9基はいずれも西日本に多い加圧水型で、女川2号機は沸騰水型原発として初の再稼働が有力視されている。

 東京電力などと同じ沸騰水型が復活する呼び水として、また原発再稼働の「西高東低」解消の第一歩となることを期待したい。

 待望の合格だが、規制委の審査にほぼ6年もの歳月が費やされたのは残念だ。審査を手際よく進めることはできなかったのか。

 原発の運転期間が基本40年に限られていることを考えると6年の停止期間は、あまりにも長い。

 このことは再稼働していない他の原発についても当てはまる。運転していないなら、設備の劣化はほとんど進行しないはずだ。

 規制委は、原発の運転停止期間を40年間から除外すべきである。そうした合理的な規制導入の検討を早急に開始してもらいたい。

 さらに注文するなら、基本的な安全対策を終えた段階で原発の運転を認め、安全審査を並行させる道筋を考えるべきである。

 原子力発電は、国のエネルギー政策で「重要なベースロード電源」と位置付けられているが、これまでの再稼働ペースでは、期待されている役割は果たせない。

 来年から実運用に入る地球温暖化防止の「パリ協定」で、日本が世界に約束した二酸化炭素の26%削減も公約倒れを免れない。

 沸騰水型原発の安全審査では、東電の柏崎刈羽原発(新潟県)の6、7号機と日本原子力発電の東海第2原発(茨城県)が女川2号機より進んだ段階にあるのだが、地元同意の壁の前で再稼働の時期が見通せない状況だ。

 女川2号機への地元同意の壁は高くないとみられているが、国が前面に出て、しっかり説明すべきである。東海第2と柏崎刈羽についても同様の対応が望まれる。

 女川原発は東日本大震災の震源に最も近い原発だったが、巨大津波にも地震動にも負けなかった。被災した300人以上の近隣住民の避難生活を約3カ月にわたって支えたのもこの原発だった。その実績を忘れてはなるまい。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ