【主張】ロシアを五輪除外 IOCは敢然と大会守れ

 スポーツ界における大罪はドーピングと違法賭博である。汚染を放置すれば「公平・公正」に基づくスポーツの価値は大きく毀損(きそん)される。

 不正は徹底して排除しなくてはならない。

 世界反ドーピング機関(WADA)は、国ぐるみの不正に絡む検査データ改竄(かいざん)問題で、ロシア選手を東京五輪・パラリンピックや各競技の主要国際大会から4年間除外する処分案を公表した。潔白が証明できた選手のみ、個人資格での参加を認める。

 12月9日の常任理事会で承認されれば、ロシアは事実上、東京五輪などに国として出場することができなくなる。

 WADAは昨年4月、規則を改定し、処分に強制力を持たせた。改定に署名した国際オリンピック委員会(IOC)や国際パラリンピック委員会(IPC)は、WADAの判断に従う。

 改定前のリオデジャネイロ五輪でもWADAはロシアの不正を認定して大会からの排除を勧告したが、IOCは判断を各競技団体に丸投げした。IPCはパラリンピックからロシアを締め出し、対応が分かれた。2018年の平昌冬季五輪では個人資格の出場のみ認めたが、IOCは「OAR(ロシアからの五輪選手)」の表記を認め、IPCはこれも拒否した。

 こうしたIOCの弱腰がロシアのスポーツ界の改革を遅らせてきたともいえる。今回の改竄問題にIOCは「スポーツ界の信頼性を攻撃するものだ」と非難する声明を出し、処分案を支持した。来年の東京五輪に向けては、いささかの譲歩もせず、敢然とスポーツの価値を守り抜いてほしい。

 ロシアのスポーツ界にも変化の兆しはある。17年にロシア反ドーピング機関の代表に就任したガヌス氏は不正への組織的関与に言及した上で、「身の危険」を感じつつ、改革へのプーチン大統領の支援を訴えている。

 ロシア陸連のシリャフチン会長はドーピング違反の隠蔽(いんぺい)に関わったとして辞任し、ロシア五輪委は新会長代行に「管理体制の完全なる改革」を求めた。こうした動きに逆戻りは許されない。

 来年の東京五輪は「クリーンな大会」を掲げている。不正が疑われる国、選手は参加が許されるべきではない。開催都市、国としては、一切の不正を許さぬ検査体制を整備して大会を迎えたい。

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