【主張】桜を見る会 花見をやっている場合か

 「桜を見る会」をめぐる迷走が続いている。

 安倍晋三首相が、国会答弁で発言を翻すなどして野党が追及姿勢を強めているためだ。

 政府は来春の中止を決定した。首相や与党議員の後援会関係者が多く招待されているとの批判を受け、招待基準などを明確化するためだ。当然のことではある。

 問題がここまでこじれた以上、来春の中止だけではなく、首相在任中の中止も決めるべきだろう。正すべきは長年続いた慣行の悪(あ)しき部分だ。

 日本文化の対外発信といった意義もあり廃止できないなら、本来の開催趣旨にふさわしいあり方は、次の政権にかけての宿題にしたらどうか。安倍政権には内外の課題が山積する。

 首相は20日の参院本会議で「招待者の選定基準が曖昧で結果として数が膨れ上がってしまった。大いに反省する」と述べた。首相が自分で認めた通り、曖昧な招待基準に加え、異常に膨れあがった参加者の数を見れば、「桜を見る会」を選挙目当てに私物化したと批判されても仕方あるまい。

 首相は招待者のとりまとめには関与していないとしてきたが、20日の国会答弁では「私自身も相談を受ければ意見を言うこともあった」と発言を修正している。

 また、パソコンでデータ管理するご時世に、招待者名簿を内閣府が破棄したのは解せない。知られると困る、何か後ろめたいことでもあるのかと疑われるだけだ。こうした対応は、長期政権の緩み以外の何ものでもなかろう。

 一方野党も、国会の使命を放棄していると言わざるを得ない。米議会は、ウクライナ疑惑をめぐるトランプ大統領への弾劾調査で与野党が激しく対立しつつも、香港人権法案を超党派で可決し、やるべきことをやっている。

 これに比して日本の国会は、米中新冷戦とわが国の立ち位置など国家のあり方をめぐる大所高所の議論はおろか、激しさを増す香港情勢、韓国との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)や北朝鮮の核・ミサイル問題、拉致問題の解決、国民投票法改正案といった課題についてまともに議論せず、決議一つ可決していない。

 いつまでも時季はずれの花見に興じている場合ではない。首相はじめ、与野党議員は自らの本分をしっかり自覚してもらいたい。

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