【主張】インフル流行 本格化の前に予防接種を

 インフルエンザの流行が始まった。今シーズンは昨年よりも1カ月ほど早く、すでに全国で累計900を超える学級閉鎖が行われている。

 流行が本格化する冬を前に、ワクチン接種などの予防を徹底したい。

 かかったら決して無理をせず、水分をたっぷり取って休むことだ。この基本を守ることが大切である。

 インフルエンザの発生は、全国約5千カ所の医療機関から報告される患者数をもとに厚生労働省が発表する。通常、1医療機関あたりの患者数が1人を超えると「流行」とみなされる。

 それが今月4~10日に1・03人となった。患者数は沖縄県が突出して多く、鹿児島、青森、長崎の各県が続いている。

 今のところ、10年前に「新型インフル」として流行したA型が9割を占めている。若年層によくみられるとも指摘される型だ。インフルエンザは5歳未満、とりわけ2歳未満の幼児で合併症のリスクが高い。注意が必要である。

 厚労省は流行のピークを来年1月ごろとみている。まず心がけたいのは、一人一人がかからないよう万全を尽くすことだ。まだワクチンを接種していない人も多いだろう。予防効果は100%ではないが、発症をかなり抑え、かかっても重症化を防ぐとされる。

 発症が疑われるときには細心の注意がいる。「咳(せき)エチケット」の言葉も浸透した。インフルエンザはウイルスで感染する。かかった人の咳やくしゃみなどの飛沫(ひまつ)とともにウイルスが放出される。マスクを着けたり、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえたりして飛散に気をつけてほしい。

 インフルエンザだと診断されれば、抗インフルエンザ薬が使用される。昨シーズンは登場から間もない薬が話題を集め、これに飛びつくように患者の側から医師に処方を求める事例が相次いだ。患者の要求で医療現場が混乱を招くような事態は避けたい。

 一般的に新薬は副作用などの情報が十分に蓄積されていない。抗インフルエンザ薬も同じだ。医師には、副作用も含めて新薬投与を適切に判断すべき責任がある。

 医療機関の中には、薬の効果と副作用にとどまらず費用まで勘案し、後発品を含めて最適な薬の処方順位を作成しているところもある。こうした取り組みも参考になるだろう。

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