【主張】東日本の大雨 医療と住宅確保に全力を

 「どうにでもなれ」

 復旧作業の最中に再度被災した住民から、悲痛な声があがっている。

 度重なる大型台風の襲来と記録的な大雨で、東日本、北日本の広域災害はさらに拡大し、長期化している。

 台風21号と低気圧がもたらした25日の大雨で、19号による土砂災害現場や浸水地域に新たな被害が発生した。千葉県では先月の台風15号による大規模停電から1カ月半以上も、心身が休まることのない状況が続いている。

 被災者の疲労、ストレス、先の見えない不安は限界に達している。「災害関連死」を出してはならない。

 国、自治体、国民が総力を挙げて被災者を支え、命を守り抜かなければならない。

 最優先に取り組むべきは医療体制を確立し、被災者の健康を守ることである。病院や福祉施設が浸水した地域もある。持病のある人、乳幼児の医療はもちろん、過労やストレスが蓄積する一般成人の健康管理にも万全を期す必要がある。

 ストレスを軽減するためには避難所でのプライベート空間の確保など、生活環境の改善も重要だ。被災者が最も望んでいるのは「安心できる居場所」であろう。みなし仮設の活用や仮設住宅の建設を急ぎ、避難所生活の不安からできるだけ早く被災者を解放することが大事だ。

 浸水や土砂災害からの復旧作業には多大な労力と時間を要する。相次ぐ災害で、復旧への意欲が落ち込んだ被災者は多いだろう。ボランティアによる支援は復旧を加速させ、被災者を前向きな気持ちにもさせる。

 被害状況や課題は、被災地ごとに異なる。そして、多くの課題は地元自治体だけでは対応できない。近隣自治体や場合によっては遠隔地の自治体との広域連携も必要だろう。

 国、県が地域ごとの被災状況と課題を把握し、適切な支援を実施することが極めて重要である。「一律、公平」という役所思考にとらわれず、被災地と住民の実情に沿った柔軟な対応をしてもらいたい。

 地球温暖化による気象災害の激甚化と多発傾向に急ブレーキはかけられない。

 被災者支援にも強靱(きょうじん)化が求められる。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ