【主張】韓国法相が辞任 文氏は誤った人事猛省を

 韓国の●国(チョ・グク)法相が就任からわずか1カ月あまりで辞任した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の最側近でもある●氏をめぐっては、娘の不正入学や親族の不透明な投資疑惑などが次々と明らかになっている。

 任命した文氏としては●氏の辞任を区切りとして自身の支持率低下に歯止めをかけたいところだろう。だが、一連の混乱を招いた大きな理由は、文政権による司法への恣意(しい)的な人事にある。

 韓国国民の多くは、●氏の法相就任に反発していた。●氏の任命を強行した文氏は、今回の辞任劇で、自らが招いた誤った人事を猛省すべきである。

 文政権が目指す検察改革は、検察の起訴権限の縮小などを骨子とする。このため改革は、文氏自らが大統領を退任した後の保身策との批判が絶えなかった。人事を駆使し、司法を政権の意のままに動かそうとするのは、韓国政治の悪弊だ。これは、「徴用工」問題の理不尽な対応と同根といえる。

 問題はこれからだ。野党による任命責任の追及は必至で、国政の混乱が収束する見通しは立っていない。街頭では、文政権を支持する大規模集会はもちろん、文政権に反対する大規模集会も組織される見通しだ。国論は二分されたままである。

 韓国を取り巻く状況はまさに内憂外患だ。日韓関係だけでなく、融和政策を基軸とした南北関係も行き詰まっている。文政権は日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を一方的に破棄し、日米韓の結束に影響が波及している。

 一時は80%以上あった文氏の支持率も40%近くまで下落した。若者を中心とする浮動層の支持がどんどん離れ、40%といわれる文氏のコンクリート支持層の崩壊に近づいている。朴槿恵(パク・クネ)前大統領も政権末期には、30~40%といわれたコンクリート支持層が崩壊し、支持率が1桁にまで落ち込んだ。

 気になるのは、大統領就任前から反日を掲げる文氏が、支持率浮揚を狙って反日政策をさらに強める恐れがあることだ。文氏はGSOMIAだけでなく、国際法をないがしろにし、徴用工問題を蒸し返す暴挙に出て、国と国との信頼関係を著しく損なった。

 文氏の任期はまだ約2年半残っている。来年4月に総選挙もひかえ、文政権がポピュリズムに傾斜しないか、日本をはじめ国際社会は注視しなければならない。

●=恵の心を日に

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