【主張】国連総会演説 北に警告与える場とせよ

 各国首脳が、米ニューヨークの国連本部に一堂に会し、外交分野での理念や戦略を表明する、国連総会の一般討論演説が24日から行われる。

 注目すべきは、北朝鮮の核・弾道ミサイル問題について、トランプ米大統領らが、どのように言及するかである。

 1年前の一般討論演説は、金正恩朝鮮労働党委員長との史上初の米朝首脳会談実現を受け、安倍晋三首相らからも非核化への期待感が表明された。

 だが、具体的な進展はその後、まるで見られない。非核化の口約束だけで、実際には開発を継続する得意の「時間稼ぎ」を許したとみるほかないだろう。

 北朝鮮に警告を与え、国際社会として北朝鮮制裁の厳格履行を改めて確認する。今回の一般討論演説は、そうした場とすべきだ。

 トランプ氏は1年前、非核化に踏み出した金委員長の勇気に感謝し、米朝首脳会談の成果として「もはやミサイルもロケットも飛んでいない」と語った。

 だが、北朝鮮は7月以降だけで8回も飛翔(ひしょう)体を発射し、その多くは国連安全保障理事会決議が禁じた短距離弾道ミサイルである。

 トランプ氏は再三、「短距離に関する米朝の合意はない」と北朝鮮を擁護しているが、自らの「成果」を傷つけないための言い訳にしか聞こえない。

 1年前、「北朝鮮の変化に最大の関心を抱いている」と述べたのは安倍首相だ。金委員長の核・ミサイルへの執着に変化はなかったとみるほかなかろう。

 決議違反の短距離弾道ミサイル発射を受け、本来なら制裁強化を検討すべき状況だ。日米首脳が国連での演説でミサイル発射に触れないことがあってはなるまい。

 北朝鮮は米国との間で、今月下旬にも実務協議を行う用意があると表明している。

 肝心なのは、北朝鮮のペースにのせられないことである。「時間稼ぎ」のための駆け引きをやめさせるためにも、いまは甘い顔を見せるときではない。

 日本政府の働きかけもあったのだろう。2年前の一般討論演説では、トランプ氏が「13歳の少女」と横田めぐみさんに言及し、拉致問題で北朝鮮を非難した。

 北朝鮮に関しては、核・ミサイルと同様、拉致問題解決も欠かせないことを国際世論に訴え続けねばならない。

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